皆さん「三養ラーメン」を聞いたことがありますか？
三養はサムヤンと読み、英語ではSAMYANGと書きますが、どこかで見覚えはありませんか。
今日は、韓国人なら誰もが知っている「三養ラーメン」のお話です。「三養ラーメン」が誕生した時代やストーリー、作り方などをご紹介しますので、最後までお付き合いくださいね。
三養ラーメンが誕生した当時の韓国
三養ラーメンは、1963年に発売された韓国初インスタントラーメンです。
三養食品は朝鮮戦争後、食糧不足を解決するため、インスタントラーメン工場や大規模な牧場を作り、畜産業を盛んにした韓国食品業界の先駆者とも言えます。
大関嶺 三養牧場は、2018年冬季オリンピック開催地「平昌」にあるアジア最大級600万坪の膨大な牧場（参考：三養牧場HP)です。三養はここで育てた牛や羊から得た原料で乳製品を製造しています。
朝鮮戦争後の貧しい時代
朝鮮戦争（1950.6.25～1953.7.27)直後の韓国は世界で最貧国と呼ばれるほど、とても貧しい国でした。
当時創業者の故チョン・ジュンユン会長は市場でお粥に群がる人達を見て「この国の食糧難を救わなければ」と食品業界に飛び込みます。日本で味わったことのあったインスタントラーメンを韓国にも広めなければと東京へ向かいました。
明星食品の技術援助
日本のインスタントラーメンの明星食品を訪問し、技術指導をしてもらいながら研究を重ね、やっと生まれたのが三養ラーメンです。
しかし、ラーメンという聞き慣れない商品に販売当初は人気がありませんでした。ラーメン（韓国語読み：ラミョン）を繊維の綿（ミョン）だと誤解されたり、当時米や麦を食べていた韓国人にとって小麦粉製品はまだ慣れない食材でした。
そして在庫が山積みになっていた三養ラーメンを後に最高のヒット商品に仕上げた背景は、政府の粉飾奨励政策でした。
米が不足する中、米国から入ってくる小麦粉の消費を推進することで、食糧難を解決する政策で、 食堂では水曜日と土曜日にラーメンなどの粉食だけを販売するようにするなど。1965年、混粉式の奨励政策で三養ラーメンは販売開始2年で月100万個が売れるヒット商品となりました。
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三養ラーメンの全盛期
農心の安城湯麺に1位の座を奪われるまで、24年も韓国No.1ラーメンを守り続けてきた「三養ラーメン」ですが、長い歴史の中で、紆余曲折もありました。
三養ラーメンが今でも韓国で愛される理由は、すべて平均以上ということ。韓国ラーメンの基礎となるスープの味で、どんな材料を入れても合う味ということです。
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三養ラーメン「牛脂事件」
ところが1989年、韓国を騒がせた事件がありました。
三養を含む大手食品会社が使用していた牛脂が当時検察の誤認から食衛生法違反とされ、三養も大きな痛手を受けます。
食用油脂レベルでありながら工業用牛脂という呼び名で使用されていたため、ラーメンに非食用牛脂を使用したという判断で工場作動停止を一時余儀なくされました。
その後裁判まで発展し、かなりの長期戦となりましたが1995年、やっと無罪判決が下りました。
三養ラーメンの作り方
それでは、韓国国民の味、三養ラーメンの作り方をご紹介します。
具材は卵・人参・豚肉・えのき・ネギにしました。
まず、鍋に550ml（3カップ）のお湯を沸かし麺、粉末スープ、かやくを入れます。
そのまま4分間茹でたらできあがりです。袋の裏には、キムチ、卵、にんにく、ネギ等を入れると美味しくなります。と書いてあります。
いかがでしたか?
激動の時代と共に親しまれ、長い歴史を過ごしてきた三養ラーメン。パッケージのレトロさや味そのものもほとんど変わらず今に至るのも、何か私たちに教えてくれているのかもしれませんね。
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